スピリチュアルX 風水大作戦 顔を出さないファシリテーター

― AI企業のファシリテーターと「会話が成立しなかった理由」―

まえがき:違和感は、だいたい当たる

最近、Zoomの異業種交流会で、印象的な体験をした。

肩書きは「AI企業のファシリテーター」。
テーマとしては今どきで、興味を引く。

だが、会話を始めてすぐに、ある感覚があった。

「極めて基本的な前提が共有できない。」

この違和感は曖昧なようでいて、
実務では非常に精度の高いセンサーになる。

  1. 顔と名前の距離

1on1で画面に現れたその人物は、マスクをしていた。
名前表示は「さおり(仮名)」、アルファベットでは「saori abe」となっている。

ここで一つ、引っかかる。

この「abe」が
阿部なのか、安倍なのか、安部なのかは分からない。

・顔はマスクで隠れている
・名前も特定しにくい

この状態が重なると、
「一体誰と話しているのか」が曖昧になる。

ちなみに、これは他人の話ではない。

珍しい部類に属するであろう我が苗字「ミノシマ」ですら、

・美濃島
・箕島
・蓑島

と、複数の表記が存在する。

つまり、アルファベット表記の時点で、
情報はかなり削ぎ落とされている。

そこにさらに、

・顔が見えない
・所属の実体が見えにくい

といった要素が重なると、
「誰なのか分からない」という状態は一気に強くなる。

例えば、飲み屋の客引きであっても、
顔を隠していれば誰も近づかないのは明らかだ。

情報が減るほど、信頼は積み上がらない。

  1. AI企業と共通言語の不在

その方は「AIアバター」という会社に所属し、
日本と海外に拠点があると説明していた。

しかし会話の中で、IT分野の基本概念である

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を知らなかった。

  1. 「役割」と「理解」は別物

1on1でのやり取りの中で、その方はこう言った。

「私はファシリテーターなので、専門知識はなくても大丈夫です」
「むしろ、AIについて何も知らない人と繋がりたい。」

役割としては理解できる。

しかしその後、

「あなたとは話が通じません」

と会話は打ち切られた。

こちらは“構造”の話をしている。
相手は“役割”の話をしている。

この二つが噛み合わない以上、
会話が成立しないのは自然な結果とも言える。

  1. 「話さない相手」を選ぶ

後日、別の交流会で再び顔を合わせた。
今回は学習したのか、顔を出していた。

私は事前に主催者へ伝えた。

前回のやり取りから、その方とは前提のレイヤーが大きく異なるため、
1on1のマッチングは辞退したい、と。

これは否定ではない。

限られた時間の中で、
会話が成立する相手に時間を使うための判断である。

そして、向こうも同意した。

  1. 「チャンスを与える」という構造

結果、その交流会は1on1ではなく、
全体での自己紹介形式となった。

そこで彼女はこう言った。

「皆さんにチャンスを与えます。
それにより、時間と経済的自由がもたらされます。」

——すごい。

DXという基本言語すら知らない人間が、
他人にチャンスと自由を与えるらしい。

何とも神目線である。

オービタルアイか、と思った。笑

さらに、

・自由
・成功
・可能性

といった言葉が並ぶ。

——ほぼマルチ商法のテンプレである。

あっ、今は「マルチ」ではなく
「MLM」と呼ぶのがイケているんでしたっけ。笑

  1. 看板と実体

「ライブドア出身の経営者」という説明もあった。

経歴としては興味深い。

だが重要なのは、現在の価値である。

話し方は流暢だが、内容を追うほどに、

「言語明瞭、意味不明」

と感じたのは、果たして私だけだっただろうか。

  1. 初期接点と投資の距離

この会社については、過去のトラブルも複数確認されている。

詳細はさておき、構造として気になったのは、
無料の交流会という初期接点で、
さりげなく投資の話が出ていた点だ。

本来、投資には

・情報の透明性
・リスク理解
・時間

が必要になる。

それが整っていない状態で進む場合、
判断は歪みやすい。

しかもそれを、
「AIって何?」という層をターゲットに、
上から——いや神目線で勧めている。

いや、ここ無料のZoom交流会ですよ?

飲み屋の客引きが、
「いい店ありますよ」と声をかけるのと、
フォーカスとしては変わらない。

正直、
自分が吉本新喜劇に出演しているような気分になった。笑

  1. 自虐という補足

……と、ここまで偉そうに書いているが、
こういう見方をしている人間は、交流会ではあまり好かれない。

だいたい、

・楽しく雑談したい人
・構造を分解したい人

は、最初から住んでいる世界が違う。

空気を読む前に、構造を読んでしまうのだ。

むすび:違和感の正体

今回の体験で分かったことはシンプルだ。

「良い技術だから売れる」は成立しない。

売れるのは、

「その場所にハマっているもの」だけである。

つまり、
AIアバターはどこに使うのか?
という話だ。

そしてもう一つ。

言葉の定義が共有できない相手とは、対話は成立しない。

これは能力の問題ではなく、構造の問題である。

だからこそ、

違和感を覚えたときは、無理に合わせる必要はない。

その直感は、だいたい正しい。

そして最後に。

マスク越しの彼女を思い出しながら思う。

「果たしてあれは本物だったのか、それともAIによるアバターだったのか、笑。」

冗談のようだが、
今回の違和感の正体は、
案外そこにあったのかもしれない。

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