「今だけ、金だけ、自分だけ」の時代に思うこと

テレビはほとんど観ませんが、YouTubeは日常的にチェックしています。再生履歴の影響もあるのでしょうか、最近はアルゴリズムによってスピリチュアル系や都市伝説系の動画がよくおすすめに上がってきます。

中でも、個人的に興味深く感じているのがナオキマンショーなどで“闇の論客”としても登場する深田萌絵さんの発信です。あまりに気になって、彼女の著作を実際に購入して読んでしまったほどです。国家や経済、安全保障、テクノロジーといった視点から、彼女が語る問題提起の数々は、今の社会がどこへ向かっているのかを改めて考えさせてくれます。

そんな中、最近YouTubeやSNSでも頻繁に目にするフレーズがあります。それが――

「今だけ、金だけ、自分だけ」。

この言葉の出どころは、2013年に東京大学農学部の鈴木宣弘教授が著書の冒頭で紹介したのが最初だと言われています。本来は、グローバル企業による食料支配の問題を告発する文脈で使われたものでした。

けれども近年では、このフレーズはさらに広がりを見せ、日本社会全体に根を張った価値観を象徴する言葉として語られるようになっています。政治家、官僚、マスコミ、大企業の経営者──いわゆる「指導層」とされる人々までもが、「今だけ、金だけ、自分だけ」の姿勢に染まりつつあるように見えます。

しかも、それに便乗し、人々の不安を煽って利益をむさぼる詐欺的な人物も後を絶ちません。情報の錯綜するこの時代、犠牲になるのはいつも、ごく普通に暮らしている市民です。

こうした状況の背景には、「肩書き」や「資格」が過剰に重視され、「人格」や「志」が軽んじられている風潮もあるように感じます。いまこそ、「資格より人格」という視点に立ち戻るべき時ではないでしょうか。

…とはいえ、これは社会の問題であると同時に、私たち一人ひとりの内側にも潜むテーマです。
気づかぬうちに、私たち自身もこの今だけ、金だけ、自分だけ」という価値観の影響を受け、そこに振り回されてはいないでしょうか?

けれど、それに気づき、自覚すること。
それこそが、小さくても確かな変化の第一歩になるのだと思います。

「今だけ」へのアンチテーゼ──神道の「中今」

「今だけ」という刹那的な感覚に対して、私はふと思い出す言葉があります。

「中今(なかいま)」。

神道の教えにあるこの概念は、「今この瞬間」に意識を集中するというよりも、今という時が過去と未来を貫く連続体であり、そこに宿る“永遠”にこそ価値があるという思想です。

未来は、今この瞬間の選択と在り方の積み重ね。だからこそ、流されずに「今をどう生きるか」が大切なのだという考え方です。椎名林檎の『罪と罰』にも通じるような、刹那と永遠が交錯する美学を感じます。

「金だけ」「自分だけ」への応答──霊的なバランスを求めて

一方で、「金だけ」「自分だけ」という利己的な傾向に対して、私が思い出すのはキリストの言葉です。

「人はパンのみにて生きるにあらず」

人が本当に満たされるのは、物質的な豊かさだけではなく、霊的な充足や、他者との関係性、愛の循環の中にこそあるのだと。

また彼はこうも語っています。

「与えよ、さらば与えられん」

この言葉の背景には、ただの自己犠牲ではなく、「与えること=分かち合いの中に豊かさが宿る」という深い真理があるように思います。結局のところ、バランスがすべてなのです。

「お役目」なんて本当にあるのか?

時々、スピリチュアルな相談に来られる方から、こんな質問を受けます。

「私の“お役目”って何でしょうか?」

正直、私自身は「特別なお役目」が誰にでも備わっているとは思っていません。ですが、八正道を説いた釈迦のように、今ここに生きる自分の在り方を見直すことで、自然と何かの“役割”に導かれていくのではないかとも感じています。

刹那的な生き方を手放し、「中今」を生きること。
金や自分の利益だけにとらわれず、他者や自然と繋がること。

こうした視点を取り戻すことが、ひいては自分が生まれてきた意味や役割へとつながっていくのではないでしょうか。

「魂は肉体を離れる」──死と霊的覚醒のはざまで

私たちはいずれ、魂と肉体を分かちます。どれだけ物質的な成功を収めても、それを持ってあの世へ行くことはできません。

けれど、魂が何を得て、何を学び、何を残すのか。その視点で日常を眺めると、日々の出来事の意味が少しずつ変わってくるはずです。

2024年以降、世界は確実に変わり始めています。多くの人たちが、ただの刹那主義や物質信仰から一歩離れ、霊的な気づきを求め始めている――そんな空気を感じています。

「今だけ、金だけ、自分だけ」ではない、新たな生き方へ。

私たち一人ひとりが、その扉を開くタイミングにいるのかもしれません。

⸻そして、最後にひとつだけ。

「行動しなければ、悩みばかり多し」──

どれだけ考え、どれだけ悩んでも、動かなければ何も変わりません。
気づきが芽生えたときこそが、まさに行動のタイミングです。

いま、あなたが抱えている違和感や疑問こそが、次の扉を開く鍵になるはずです。

今こそ、行動の時です。

「今だけ、金だけ、自分だけ」の時代に思うこと” に対して1件のコメントがあります。

  1. 舟橋正樹 より:

    行動します。ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です